運動嫌いな僕がプロトレイルランナーになるまでの軌跡(奇跡)。

2015年6月7日から走り始めて2年と1ヶ月が経過。どうしたら速く走れるようになるかを色々と考えつつここに記す。

2014年5月31日~6月1日 八ヶ岳を登山中に道迷い遭難しかかった話の前編。

 

おさださん(@trmontittiosa)が投稿した写真 -

  「遭難」なんてそんなに大袈裟なものではないのだが、とりあえず登山ネタは少ないので過去の山行で印象深ったものを記していこうと思う。

 

 当時(2014年5月31日)の僕は登山歴2年で32歳だった。そんな僕が八ヶ岳で登山道を見失って2時間近く森の中を彷徨ったという話だ。

 統計を取ったわけではないので僕の勝手な憶測ではあるが、登山者の八割くらいの方が一度や二度の道間違えを経験しているのではないだろうか。

 僕のあの時の道間違え・道迷いは2時間程度で済み、結果的には正しい登山道に復帰することができたわけだが、選択を誤れば本当に危なかったのかもしれない。

 

 日程は2014年5月31日~6月1日の2日間。新宿から出発し中央自動車道 を進み小淵沢IC で 中央自動車道 を降りる。後は下道を使って八ヶ岳への数ある入山ゲートの一つ、観音平口まで行きそこから登山開始。

 初日は観音平から青年小屋横を通過して権現岳まで行き、権現山頂付近にある権現小屋で一泊。翌日はそのまま来た道を引き返すといったものすごく単純な登山計画であった。

 歩行距離も長くはないし急登でもなく、鎖場のような危険箇所もない。使用者の多いメジャールートといえよう。更に小屋泊なのでテントも背負っていないしリュックはかなり軽い。一泊するということで時間的な余裕もたっぷりあった。

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 地図上、紫の太線になっているルートを通る計画を立てていた。山と高原地図では行動時間が4時間半、距離にすると5,1kmとのこと。

 

 同行者はキックボクシング時代の先輩であるM氏。ほぼ同時期に登山を始め、経験や技術、それに体力面でそこまで大きな差異がない。ということで僕の登山においては彼が同行することが非常に多く、ブログ内での登場頻度が高い。

 過去、ジムにてボコスカと殴り合っていた(正しくは一方的に殴られていた)という間柄なので気心も知れている。先輩と後輩という関係が完璧に出来上がっているので僕としても楽チンだ。

 

 5月31日の早朝、新宿に集合しM氏の運転で八ヶ岳の観音平へ向かう。車中は格闘技の話題で大盛り上がり…僕もM氏も会話に夢中になり過ぎてキャッキャしていたら

 

僕・M氏「あっ…!」

 

 降りるはずの小淵沢インターをあっさり通過…仕方がないので次の諏訪南インターで高速道路を降りる事になる。登山と全く関係の無い所で大きなミスをしでかした。ナビ失格。

 当初降りるはずであった小淵沢インターへ引き返したり、諏訪南インターから当初登り始めるはずであった観音平へ向かうと時間的なロスが大きく、下手をすれば権現小屋へ到着する前に暗くなってしまう可能性があると判断した。

 そこで僕達は地図とにらめっこをして諏訪南インターから最も近い八ヶ岳への登山口がある立場川キャンプ場から入山することにしたのである。

 

 地図上ではきちんとルートが記載されており道もそこまで複雑そうではなく、急遽変更したとしても時間的な余裕はあるし権現小屋まで容易に辿り着けるであろうと高をくくった。地図と変更したルートは以下の通り。

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 行動時間が5時間45分、距離にすると8,9km。当初の計画より1時間15分、3,8km増えたことになる。

 

 いざ立場川キャンプ場から歩き始めるも地図通りの道がなかなか見当たらない。そして八ヶ岳の山開きは6月1日なので丸々1年近く放ったらかしな状態だったのであろう、踏み跡も不明瞭だった。

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 写真のように作業用らしき様々な色のテープがそこら中に貼ってあったりして、この中で登山道を探すのは困難を極めた。登山口を出発して1時間もしないうちに正規ルートを完全にロストする。

 とりあえずスマートフォンGPSとコンパスを頼りに藪漕ぎしつつ西岳方面に向かう。結局、地図上の千枚岩も信玄の隠れ岩も見つけられずに通過することになる。

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 整備されたメジャールートのみを歩く予定だったので僕は半ズボン姿…藪漕ぎであっという間にスネが傷だらけになってしまった。やっとの思いで西岳に到着するが、地図に記載された通りに歩ければ3時間で到着できたのに4時間近くかかってしまった。

 

 小休止した後、次の目的地である青年小屋を目指す。源治新道は踏み跡がしっかりしていたので今度は迷うことはなさそうだな…と、思いきや

 

M氏「あれ?行き止まりになってる…。」

 

 そしてまたもや踏み跡があやふやな感じに。僕もM氏の後ろを歩きながらルートを外してないかチェックしていたのにこの有様だ。

 しばらく引き返して別の踏み跡を探したが青年小屋の方へ向かう明瞭なものはなく、またもやGPSとコンパスを使って強引に藪の中を突き進む羽目になる。

 結局17時前になんとか青年小屋へ到着。地図上では青年小屋から権現岳までは1時間半の道のり。日没まで残り1時間と少し…権現小屋までたどり着けるかどうか、本当にギリギリな時間であった。

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 青年小屋と編笠山。17時でこの明るさともなれば日没まで1時間と少しだとしても行きたくなる。それに当初の目的地はやはり権現岳だったので少し急ぎ目で権現小屋を目指すことになる。

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 ギボシから権現岳に向け断崖をトラバース。日がかなり傾きもう30分くらいで暮れてしまう。

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 山の影になり見えにくいが権現小屋に向け初日最後の稜線を歩く。左を向くと八ヶ岳の最高峰である赤岳が見えた。右から赤岳、中岳、阿弥陀岳である。急がなくてはならないのに夕日に染まる山々を見て感動のあまり足を止めずにはいられない。

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  こんな風景は二度と拝めることはないとばかりに無心でシャッターを切る。結局、権現小屋へは日が暮れる寸前の18時10分過ぎの到着だった。小屋番さんには遅いと怒られつつ、なんとか無事に初日の山行を終えることができた。

 

 立場川キャンプ場から西岳までに1時間近くロスト、そして西岳から青年小屋までの源治新道でま30分近くロストした。8時過ぎに入山して到着が18時なので行動時間は10時間近くに達し、権現小屋に到着する頃にはヘトヘトであった。

 今、あの日のことを振り返って考えてみると危険だったなあと反省すべき点がたくさん見えてくる。「登りたい!」という感情に任せるのではなく、正しく状況を理解し時には勇気ある撤退も必要だ。

 

 何はともあれ、こうして僕達の八ヶ岳登山の初日は日没寸前で権現小屋まで辿り着くことができた。そして更に大変な山行となる二日目へと続く。

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