2007年4月12日 ダイエット効果を狙って通ったキックボクシングジムでの話。

 

 

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 2006年7月18日、僕(当時は25歳)は痩せて格好良くなりモテたいという一心でキックボクシングジムに入会してみた。

 大学生の頃に格闘技を少しだけかじった経験があったのでその延長で少しだけやってみようかな~という軽はずみな気持ちでジムの門を叩く。

 

 入会して数ヶ月後、経験者だということもありジムの会長からプロの練習にも参加許可を頂くことができた。集合時間は平日の15時半。時間が時間だけに普通の仕事に就くことができない。要するに「キック一本で飯を食う」という覚悟が出来ているヤツだけ練習に来いという意味であった。

 当時、ジムにいた選手たちの殆どがチャンピオン級の猛者ばかりで軽量級&経験の浅い僕は手加減してもらっても連日連夜ボコられた。

 

 プロ練に出るようになって僕の鼻がやや右に曲がる頃、アマチュア新空手(空手着にグローブとすね当てを付けてぶん殴り合う)のトーナメントで優勝。その後、続けざまにキックボクシングのとある団体のアマチュアトーナメントでも優勝を果たす。

 そのアマチュアトーナメントで優勝するとプロの試合にも呼んでもらえる仕組みになっておりデビュー戦が決まる。認められた気がして嬉しかった。そして自分には才能があるのだと勘違いをしてしまった。

 

 ジム入会から約9ヶ月後の2007年4月12日、ついにプロのリングに上がる。女性にモテたいという超軽はずみな気持ちでキックボクシングを始めたのに驚きだ。

 朝から気持ちが落ち着かず居ても立ってもいられない…集合時間の1時間前には会場の水道橋・後楽園ホールに着いてしまっていた。

 試合は1試合目だったので早々に会場入りしウォーミングアップを始める。緊張と興奮、それに不安が入り混じった変なテンション。いつもより喉が乾くし汗が吹き出る16時半に会場が開きお客さんが入ってくる。

 

「それでは只今より、オープニングマッチ第一試合を行います…両選手入場!」

「ラーウンドワン、(カーンというゴングの音)ファイッ!」

 いつも通りアゴをぐっと引き頭を振りながらステップを刻みつつジャブとインローで牽制…緊張で全身が力みまくっててジャブが上手く打てない。ロボットみたいな動きになってる。

 相手の攻撃は見えてる。当たらない…「ゴッ!」…気付いたら尻もちを着いていた。急いで立ち上がる。どうやら相手のバッティング(頭がぶつかった)で倒れたらしい。左目が…塞がってる…?

 1ラウンド目、残り30秒…少しずつ緊張が解け動きが良くなってきた。ローキックが良い感じで当たり出す…

(カーンというゴングの音)第一ラウンド終了!」

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「ラーウンドツー、(カーンというゴングの音)ファイッ!」

 当たりそうな攻撃は右のロー。1ラウンド目の感じだとカットもしない。上への攻撃を餌に右ローを軸にしよう…フェイント、フェイント…

 セコンドの指示もやっと聞こえてきた…頭を振って…ジャブにインロー…すると一瞬、暗くなりよろけて手を付く。

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「ダウーン!ワーン!ツー!スリー!フォー…」

 …ダウンした。一体、何が起こったのかわからない。ファイティングポーズ…

「ファイッ!」

 そこまでのダメージは負っていない…なんだ?攻めないと…(後にこうして画像を見たら綺麗にワン・ツーをもらってる)

(カーンというゴングの音)第ニラウンド終了!」

 

「ラーウンドスリー、ファイナルラウーンド!(カーンというゴングの音)ファイッ!」

 ダウンを一つ奪われている。このままでは判定で負ける…前に出るしかない。呼吸が乱れる…身体が動かない…

 とにかくパンチの距離を潰して膝、膝…スタミナをロスしすぎてハイキックも打てない…打たれながらも前に出て首相撲に持ち込み膝、膝、膝…

 もはや自分に出来る攻撃は膝しか残っていなかった。

「さん、に、いち(カン、カン、カン!というゴングの音)試合終了!」

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 判定は青(相手)に1票、残りの2票はドローだった。こうして僕のデビュー戦は2ラウンドに1度ダウンを喫しはしたものの判定で引き分けに終わる。

 

 僕はデビューした後、実力も伴ってないのに何故か全勝に近い成績で上り詰められるものだと思っていたがいきなり厳しい現実を見せつけられた。

 集中しすぎていたのが原因なのか、会長やセコンドの声が全く耳に入らず指示通りに動けなかった。これは多いに反省すべき点である。

 プロのキックボクサーとしての人生をこの後も数年は歩むことになるが鳴かず飛ばず。勝ち星は乏しく引き分けか負けを繰り返す。キックボクサー時代の話しはまた別の機会で…。